万事屋ビスタ
第5話 突然のお誘い
さっき。
「姉くっきーくれ!」
「オレもー!ちょこ味な!」
とか叫びながら元気いっぱい駆け込んで来たチビッコ達がそこにいた人物にギロリと睨まれ「うわーん」と泣きながら走り去って行った。
わ、私の金ヅルー…ッ!!
万事屋ビスタ No.5
いくらなんでも酷いんじゃないかと思うこのおじ・・・ごほげほ、お兄さん。
時刻は日本で言う3時頃。
ビスタのお得意さんであるチビッコ達が小銭握りしめてやって来る時間帯である。
言い方を変えればビスタにとっては掻き入れ時である。(いいんだ少額でも立派な収入源なんだッ)
そうだというのにこの紅い男。
さっきからその鋭すぎる眼光でチビッコ達を震え上がらせて早幾人。
新手の営業妨害かッ!?と思わず声を上げそうになること早数回。
てめぇふざけんなッ!?
「ところで」
「・・・ッ」
ひぃいいいっ
うわちょっと今!び、ビビったぁああああっ!!
ばくばくと拍動する心臓を抑える友である。
今の聞かれたら確実に こ ろ さ れ る ☆
目が虚ろだ。
「 」
「……………………………………………………は?」
黎深さんの言葉に三点リーダー20個分の間の後だというのに間抜けな声を上げた私は決して悪くないと思う。
ていうかあれ今の空耳か?お空の上の人の声か?
つーか私の耳がおかしくなった可能性の方が高い。高過ぎる。それこそお空に届くんじゃないかっつー。
「受けるのか受けないのか早々に決めろ万事屋。」
苛々と机を指でトントン叩きながら眉間に皺をお寄せになる紅家当主。
おお、マジ機嫌悪いやっぱり粗茶は不味かったかいやでもうちには自分用にと自家栽培してる紅茶用茶葉かそれこそキングオブ粗茶しかないなんてったって万事屋ビスタはいつでも火の車だ・・・
「おおっ万事屋って私のことかッ」
「他に誰がいる馬鹿者。」
「そーですね!」
にこり、と白い歯見せて笑うと黎深さんが冷めた溜め息を吐いた。
うん、私も何コイツ変な奴だなって思うよでもそれ程衝撃的だったんだよ脳細胞がその活動を止めるくらいにはねっ
なんだ
「紅家の侍女になれ」
って!?
お前庶民からかうのにも程があるだろッ
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第5話 突然のお誘い
黎深様はきっと視線だけで人を殺せる。
官吏たちとか。ぶーろーくんはーと。
2008/01/28
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